2014年1月1日水曜日

重複組合せ(1)

【3種の玉から重複を許して5個を選ぶ組み合わせの数】
【問1】

上図のような3種の玉から、重複を許して5個を選ぶ組み合わせの数を求めよ。


【解答】
 この問題は、その組み合せと1対1に対応する別の組み合わせを求める以下の問題を考えます。そして、その組み合わせの数を考えると解けます。

上の3種の玉と4種の指示が入った箱から、
目隠しして5個を取り出す組み合せの数が、
3種の玉から、重複を許して5個を選ぶ組み合わせの数である。

4種の指示を全部選んでも5つ目にはどれかの玉を選ぶことになる。
どれか選ばれた玉を玉1、玉2、玉3の順に上から下にならべ、その玉の間の第n番目の玉の位置に、選ばれた第n玉指示を並べる。
つまり、選んだ玉のうち一番小さい番号の玉を第1番目に並べ、
第2玉指示(1個目の玉を2個目に追加)が選ばれたら、
第2番目に、第2玉指示を並べ、その指示を2つ目の玉の替わりにする。
第3玉指示(2個目の玉を3個目に追加)が選ばれたら、
第3番目に、第3玉指示をならべ、その指示を3つ目の玉の替わりにする。
その他の第n玉指示も同様にする。
その玉と指示とにより、3種の玉から、重複を許して5個を選ぶ組み合わせが指定される。

例えば、以下の組み合わせ:
(1)玉2
(2)第2玉指示(1個目の玉を2個目に追加)
(3)玉3
(4)第4玉指示(3個目の玉を4個目に追加)
(5)第5玉指示(4個目の玉を5個目に追加)
は、
(1)玉2
(2)玉2
(3)玉3
(4)玉3
(5)玉3
の組み合わせに1対1に対応する

大事なポイントは、この玉と指示の組み合わせ(3種の玉と4種の指示から選んだ5つ)が、3種の玉から重複を許して5個を選ぶ組み合わせに1対1に対応することである。
(1)この玉と指示の組み合わせが、5つの玉を選ぶ1つの組み合わせを表す。
(2)逆に、5つの玉を選ぶ1つの組み合わせは、必ず、この玉と指示の組み合わせによって表すことができる。

そのため、
3種の玉から、重複を許して5個を選ぶ組み合わせの数
=3種(3個)の玉と4種の指示から5個を選ぶ組み合わせの数
(3+4)
(解答おわり)

【別解】
上図のように①の行と②の行と③の行との3つの行を有し、横の長さが5の格子を考える。格子のA点からB点まで、①の行から③の行まで格子を辿って、右と上に進む最短経路を描く。

上図で、
①の数=(①行の、A点から昇り階段までの長さ)
②の数=(②行の、階段と階段の間の長さ)
③の数=(③行の、階段からB点までの長さ)
とすると、

A点からB点まで、格子をたどって右と上に進む1つの最短経路は、
5個の玉を取り、①を取った数と②を取った数と③を取った数の1つの組合せに
1対1で対応する。
その対応の特殊な例では、
①の数が5、②の数が0、③の数が0の組み合わせは、下の図の経路に対応する。
①の数が0、②の数が0、③の数が5の組み合わせは、下の図の経路に対応する。

そのため、A点からB点までの全ての経路の数は、
3種の玉から、重複を許して5個を選ぶ組み合わせの数と等しい。

上図の経路は、
→→↑→→↑→
とあらわせる。
すなわち、経路は、(↑)2つと(→)5つの順列であらわされる。
(A点からB点までの経路は、(↑)2つと(→)5つの順列と1対1対応する)
そのため、図のA点からB点までの全ての経路の数は、(↑)2つと、(→)5つが作る全ての順列の数と等しい。
その数は、
(2+5)!/(2!×5!)
(2+5)(2+5)
になる。
これは、先の解答と同じ答えである。
(解答おわり)

場合の数と確率
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